真空蒸留(読み)シンクウジョウリュウ(その他表記)vacuum distillation

デジタル大辞泉 「真空蒸留」の意味・読み・例文・類語

しんくう‐じょうりゅう〔‐ジヨウリウ〕【真空蒸留】

減圧蒸留

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改訂新版 世界大百科事典 「真空蒸留」の意味・わかりやすい解説

真空蒸留 (しんくうじょうりゅう)
vacuum distillation

温度が高くなると分解したり重合したりする物質蒸留する際に用いられる蒸留法。一般に200mmHg以下の圧力で行う蒸留をいい,200mmHg以上の場合には減圧蒸留distillation under reduced pressureと呼んでいる。以前は一般に真空蒸留は単蒸留形式の回分蒸留が行われることが多かったが,最近では化学工業のファインケミカル化に伴って高度の精製分離が望まれることが多くなり,蒸留塔形式の連続蒸留が行われることが多くなってきている。このような真空蒸留では,塔頂に真空発生装置を設置するので塔内の圧力損失をできるだけ小さくする必要がある。したがって蒸留塔としては棚段塔よりも充てん(塡)塔が用いられることが多い。真空発生装置としては,真空ポンプエゼクターが用いられる。10⁻1mmHg以下の真空下での蒸留は分子蒸留と呼ばれ,一般の真空蒸留とはまったく異なった形式の装置で行われる。
分子蒸留
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百科事典マイペディア 「真空蒸留」の意味・わかりやすい解説

真空蒸留【しんくうじょうりゅう】

減圧下で行う蒸留。一般には200mmHg以下の圧力で行う場合をいい,200mmHg以上の減圧蒸留と区別する。減圧下では物質の沸点が低下する現象を利用したもので,加熱による熱分解のおそれのある物質や,沸点が高く常圧蒸留の困難な物質の分離・精製に広く利用される。真空発生には,大型装置ではエゼクター,小型装置では真空ポンプを利用。極度の高真空を用いる蒸留に分子蒸留がある。
→関連項目蒸留真空

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真空蒸留」の意味・わかりやすい解説

真空蒸留
しんくうじょうりゅう

減圧蒸留

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真空蒸留」の意味・わかりやすい解説

真空蒸留
しんくうじょうりゅう

減圧蒸留」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の真空蒸留の言及

【蒸留】より

…材質としては実験室用にはガラスが用いられ,工業的には主としてステンレス鋼が用いられるが,特別に腐食性の強い物質を取り扱う場合には,その他の材質たとえばガラスが用いられる。 操作圧力としては高圧蒸留(普通は数十気圧まで),常圧蒸留および減圧蒸留があり,減圧蒸留はさらに200mmHg程度までの減圧蒸留,1mmHg程度までの真空蒸留と10-1mmHg以下の分子蒸留とに分けられる。真空蒸留分子蒸留
[特殊な蒸留]
 石油は非常に多数の成分からなる混合物であるが,まずはじめに常圧蒸留塔に供給し,塔頂からはガスを,塔底からは重質残渣油を取り出し,塔の中間では上のほうから順にナフサ,灯油,軽油などを抜き出して製品を得ている。…

※「真空蒸留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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