化学辞典 第2版 「塩化セレン」の解説
塩化セレン
エンカセレン
selenium chloride
【Ⅰ】二塩化二セレン:Se2Cl2(228.83).発煙硫酸にSeとSeO2を溶かし,これにHClを通じると得られる.暗赤色の油状液体.融点-85 ℃,沸点約127 ℃(分解).密度2.91 g cm-3(17.5 ℃).CS2,CCl4,ベンゼンに易溶.水によってH2SeO3,HCl,Seに分解する.セレンを塩化セレンに溶解し,濃縮すると灰色セレンを析出する.[CAS 10025-68-0]【Ⅱ】四塩化セレン:SeCl4(220.77).Seと Cl2 をCCl4中で反応させるか,SeO2をPCl5と反応させると得られる.無色の結晶.融点305 ℃(封管中).196 ℃ で昇華する.CS2に不溶,POCl3に可溶.水によってH2SeO3とHClに分解する.電波吸収材料,飼料微量添加物に用いられる.有毒.[CAS 10026-03-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報