塩吹池(読み)しおぶきいけ

日本歴史地名大系 「塩吹池」の解説

塩吹池
しおぶきいけ

[現在地名]上田市大字保野

保屋ほや村の西北山麓にある溜池。面積四ヘクタール。最深四メートル。貯水量約一五万三千立方メートル。土堤の高さ一二メートル、長さ四〇〇メートル。池の築造前にはこの辺りの土地は白い塩が吹き出したような状況であったので塩吹池の名があると伝える。

東北方に展開する保屋村全部の水田を灌漑している。元和八年(一六二二)頃の成立と推定される上田御領分惣貫高寄帳(西沢家文書)の保屋村の項には池に関する記事はない。

宝永三年(一七〇六)上田藩村明細帳の保屋村の項に初めて「塩吹池 東西百七間 南北百拾七間」とみえる。ただし元禄一五年(一七〇二)上田藩がこの池の大増築を行った記録が残っていて(山寺家文書・石井家文書)、それには上田藩全域から人足二万三千六〇〇余人を動員して約二ヵ月間の短期間に完成させるという工事の詳細が記されているので、おそらくこのとき現在のような大規模の溜池となったものと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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