塩穴郷(読み)しおあなごう

日本歴史地名大系 「塩穴郷」の解説

塩穴郷
しおあなごう

和名抄」高山寺本は「之保阿奈」、東急本は「之保乃阿奈」の訓を伝える。「大阪府全志」は堺南庄さかいみなみのしよう中筋なかすじ舳松へのまつみなと(現堺市)の区域かとする。北は長尾街道(大津道)を境として摂津国住吉郡、東は河内国丹比たじひ郡に接するところから、中筋三国みくにおか地名がある。当郷の東部地域は百舌鳥もず古墳群の中心部にあたり、全国第一位の墳丘長四八六メートルの規模をもつ大仙だいせん古墳(仁徳陵に治定)をはじめ、田出井山たでいやま古墳(反正陵に治定)ほか大小の古墳が集中する。式内社としては開口あぐち神社がある。

「行基年譜」に「清浄土院高渚 塔十三層云々 在和泉国大鳥郡葦田里 今塩穴郷」とあるが、「今」以下は同年譜の成立した安元元年(一一七五)段階でのもので、同院は大鳥郷内に存在した可能性がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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