日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩羊羹」の意味・わかりやすい解説 塩羊羹しおようかん 長野県下諏訪(しもすわ)町の名物菓子。老舗(しにせ)新鶴(しんつる)の名代菓子。薯蕷(じょよ)まんじゅうを商っていた新鶴の初代の創作で、その風雅さは高く評価されてきた。北海道の十勝アズキ、諏訪天の名で知られる茅野(ちの)寒天、上白糖が原料。楢薪(ならまき)をたいてとろ火で練り上げ、その間に塩加減をしていく。餡(あん)練りには櫂(かい)を用いる。羊かんが薄墨色を呈するのは、あく抜きのためアズキの表皮を全部取り去るからである。当初は新鶴の羊かんといわれたが、作家藤森成吉により「塩羊羹」と命名された。[沢 史生] 塩羊羹 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例