出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
長野県中東部,諏訪地方東部にある市。1958年市制。人口5万6391(2010)。中世に諏訪氏の居城が西部の上原に築かれ,近世には甲州道中の宿駅が南部の金沢に置かれた。市域は八ヶ岳,蓼科(たてしな)山の西麓(山浦地方と呼ぶ)の大部分を占め,この地方の中心であり,市役所の標高が801mで全国で最も高いことに示されるように高原の町である。JR中央本線,中央自動車道が通じる。諏訪の内陸工業地帯の一部として電子,精密などの機械工業が発達するが,またのこぎりや寒天などの地場産業もあり,冬の寒さと晴天を利用した天然の角寒天の製造は全国生産の大半を占めている。農業ではセロリやレタスなどの高原野菜,リンドウ,キク,アスターなどの花の栽培が盛んである。白樺湖,蓼科高原,八ヶ岳などの観光地が市域にあり,観光産業も地域経済に大きな比重をもっている。八ヶ岳山麓に位置する尖石(とがりいし)遺跡は日本の縄文中期を代表する遺跡である。
執筆者:市川 健夫
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