塩部村(読み)しおべむら

日本歴史地名大系 「塩部村」の解説

塩部村
しおべむら

[現在地名]甲府市塩部一―四丁目・北新きたしん二丁目・みどりが丘一丁目・美咲みさき一―二丁目・朝日あさひ三丁目・富士見ふじみ一丁目・湯村ゆむら一丁目・同三丁目・大和町だいわちよう

和田わだ村の南にあり、西から南に湯川が流れる。あい川が東寄りを南流し、東境は上府中の町に接続する。文治二年(一一八六)四月八日の醍醐寺文書目録(醍醐雑事記)にみえる塩戸しおべ庄の遺称地。「甲斐国志」によれば、村名は溝水に塩気があったことによるという。文禄年間(一五九二―九六)の甲府築城に伴う古府中こふちゆう地域の整備・改編により住民は上府中横沢よこざわ町周辺に移住させられた。慶長古高帳では塩部分とみえ、高一千九石余、ほかに上府中内八幡領二〇石余・元紺屋もとこんや華光けこう院荒神領四石余・尊躰そんたい寺領七石余・伊勢領四石余がある。五冊のうち四冊が残る慶長六年(一六〇一)検地帳(県立図書館蔵)によれば田が耕地の六割を超え、うち麦田を含む中田以上で九割近くを占める。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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