境ふ(読み)サカウ

デジタル大辞泉 「境ふ」の意味・読み・例文・類語

さか・う〔さかふ〕【境ふ/界ふ】

[動ハ四]境を決める。限る。区切る。
「後ろは山により、前は水を―・ふ事にてこそあるに」〈太平記・一九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「境ふ」の意味・読み・例文・類語

さか・うさかふ【境】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙
    1. こちらとあちらを区別する。境界をつける。さかいとする。わけへだてる。
      1. [初出の実例]「則はち山河(やまかは)を隔(サカヒ)て国(くに)(あがた)を分(わか)つ」(出典日本書紀(720)成務五年九月(北野本訓))
      2. 「勇士猛将の陣を取て敵を待つには、後は山により、前は水を堺(サカ)ふ事にてこそあるに」(出典:太平記(14C後)一九)
    2. 物事の区別をはっきりさせる。
      1. [初出の実例]「相撲のめたられにて相論するをさかふ如何。同前、堺の如し。勝負の堺也」(出典:名語記(1275)八)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「峯をさかへ、谷を限り」(出典:御伽草子・胡蝶物語(有朋堂文庫所収)(室町末))

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