外海町(読み)そとめちよう

日本歴史地名大系 「外海町」の解説

外海町
そとめちよう

面積:四六・七三平方キロ

西彼杵半島の西部、長崎市の北西に位置し、西部は角力すもう灘に面する。北東部は琴海きんかい町、北部は大瀬戸おおせと町に接する。町域の北部にタンポ山(四七三・三メートル)、中央部に牧野まきの(三七九・二メートル)妙正みようしよう(三〇四・九メートル)、南西部に大野おおの(三五二・三メートル)などの山嶺があり、これらを水源とする神浦こうのうら川・出津しつ川・黒崎くろさき川などが西流または南西流して角力灘に注ぐ。うち神浦川は流路延長九・五三キロ、流域面積二八平方キロ。海岸部は断層海岸を形成し、海食崖をなす大城おおじよう小城こじようなどは大村湾県立公園の指定域のうち。角力灘から五島灘にかけて母子はこ島・大角力、いけ(面積〇・九二平方キロ)大蟇おおひき(沖ノ島)小蟇こひき島、平瀬ひらせなどの島々が点在している。海岸部を国道二〇二号が通るほか、県道の神ノ浦港―長浦ながうら線などが通る。

大野岳南東の出津遺跡は縄文時代後期を主体とする貝塚で、南海産の貝輪をもつ人骨の出土で注目される。五世紀初期の墓と推定されるひらき遺跡では棺床面から石枕、束になった鉄鏃、鉄直刀・鉄剣などが出ており、それに続く黒崎川河口部の宮田みやた遺跡では石棺墓から鉄製刀子、青銅製小型製鏡、土師質土器、滑石、ガラス製玉類などが出ており、中九州との交流もうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報