日本大百科全書(ニッポニカ) 「外肛動物」の意味・わかりやすい解説
外肛動物
がいこうどうぶつ
動物分類上の1門で、コケムシとよばれ、約4000種が知られている。化石は古生代の末期から出現しており、古い動物である。コケムシ類は擬軟体動物や触手動物の門に属したこともあるが、現在では外肛動物という独立した門を構成する。海産の種類は淡水産よりも多く、潮間帯から深海にまで分布する。微小な個虫が多数集まって樹枝状、鶏冠状、円盤状などの群体をつくる。群体は石灰質またはキチン質を含むために硬く、岩石やほかの動植物に付着する。それぞれの個虫は虫室の中にすみ、袋状で、口の周りには触手冠があり、消化管はU字状で、肛門は触手冠の外側に開く。血管と排出器がなく、雌雄同体で無性生殖により群体を拡大する。
[片島 亮]