多硫化物(読み)たりゅうかぶつ(英語表記)polysulfide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多硫化物」の意味・わかりやすい解説

多硫化物
たりゅうかぶつ
polysulfide

ポリ硫化物ともいう。一般式 で表わされる硫化物総称。一般の金属の硫化物は 型の酸性硫化物, 型の正規 (中性) 硫化物の2系列を形成するが,アルカリ金属および若干のアルカリ土類金属は多硫化物をつくる。これらの硫化物の水溶液は多量の硫黄を溶かし,黄色ないし赤褐色溶液をつくるが,これは多硫化物の形成に起因する。 n は 2~5 の値をとる。多硫化物はすべて水に易溶,酸を加えると硫黄を遊離する。非金属元素の多硫化物に相当するものに多硫化水素がある。多硫化アンモニウム (黄色硫化アンモニウム) は定性分析の分離試薬として広く用いられている。

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化学辞典 第2版 「多硫化物」の解説

多硫化物
タリュウカブツ
polysulfide

Sn2-(n ≧ 2,Sn鎖状)を陰イオンとして含む化合物.学術用語方式の名称.正式名称はポリ硫化物

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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