多米駅(読み)ためのえき

日本歴史地名大系 「多米駅」の解説

多米駅
ためのえき

「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条に西海道の豊前国九駅の一として「多米」とみえ、駅馬五疋が配備されていた。「和名抄」高山寺本では「久米駅」と記される。大宰府からこめやま峠経由で豊前国府に向かう官道(豊前路)に設けられた。「延喜式」では現香春かわら町に比定される田河たがわ駅と現苅田かんだ町に比定される刈田かんだ駅との間に記載されることから、豊前国府の最寄り駅と推定される。豊前国府の所在地を「和名抄」は京都郡とするが、古代には仲津なかつ郡のうちとされる現豊津とよつ惣社そうしや地区で近年国庁跡が発見され、八世紀中葉から一二世紀前葉に至る約四〇〇年間に及ぶ政庁地区の変遷が明らかになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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