夜都岐神社(読み)やつぎじんじや

日本歴史地名大系 「夜都岐神社」の解説

夜都岐神社
やつぎじんじや

[現在地名]天理市乙木町宮山

乙木おとぎ集落北端に鎮座。もと春日神社・乙木社と称し、武甕槌たけみかづち命・ひめ大神経津主ふつぬし命・天児屋根あめのこやね命を祀る。旧村社。「延喜式」神名帳の山辺やまべ郡「夜都伎神社」を「大和志」は「在乙木村今称乙木大明神」と記す。口碑によると、本来、式内夜都伎神社は東方の十二神社で、同社は乙木村に属していたが、社地をたけうち(現天理市)三間塚さぎづか池と交換して竹ノ内領となったため、村域内にあった春日神社を夜都岐神社に改名したという。夜都岐は於都岐(乙木)の誤写か。鎮座地は興福寺大乗院および春日社領乙木荘で、当社も春日社との関係が深く、江戸末期まで、「蓮の御供」という神饌を春日社へ献じていた。春日若宮からは六〇年ごとに社殿鳥居の下付があったと伝え、応永一三年(一四〇六)の式年造替の際には春日本社の第四殿を下付されている(春日大社文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android