夜鷹そば(読み)よたかそば

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

夜鷹そば
よたかそば

風鈴をつけた屋台を担ぎつつ、江戸の夜の街を流したそば売りのこと。夜鳴(泣)きそばともいう。京坂がうどん好きなのに対し江戸はそば好きであったが、そばを主としてうどんも売られた。名称の由来は、夜鷹(街娼(がいしょう))が好んで買ったためといわれる。しかし市民にとっても親しい存在で、とくに秋、冬の夜の景物として歌舞伎(かぶき)や文芸にも広く出てくる。この流行は江戸末期からだが、明治になっても引き継がれ、中華そば売りになった。[山内まみ]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の夜鷹そばの言及

【ソバ(蕎麦)】より

…夜間のそば行商がいつごろから始まったかは明確でないが,1686年(貞享3)には,めん類の夜売りが煮売り仲間から独立した業種として認められたばかりでなく,煮売りの筆頭にのし上がった。江戸ではこれを〈夜鷹そば〉,京坂では〈夜啼(よなき)うどん〉と称した。夜売りの期間は,陰暦9月から雛の節句である3月3日までと限られていたが,寛政(1789‐1801)末以降は期限が延びた。…

【時そば】より

…明治中期,3代柳家小さんが,上方の《時うどん》を改作した噺。むかしは〈夜鷹そば〉などというそば屋が往来を流していたが,そのそばを食べた男が,代金が16文と聞き,〈ひい,ふう,みい,よう,いつ,むう……何時(なんどき)だい〉〈八つで〉〈ここのつ,とお……〉と2文ごまかした。与太郎がまねしようとしてそば屋を呼びとめ,〈ひい,ふう,みい,よう,いつ,むう,なな……何時だい〉〈四つで〉〈いつ,むう,なな……〉と3文損をした。…

※「夜鷹そば」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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