夢酔独言(読み)むすいどくげん

改訂新版 世界大百科事典 「夢酔独言」の意味・わかりやすい解説

夢酔独言 (むすいどくげん)

無頼生涯を独特の語り口で叙したユニークな自伝著者は勝左衛門太郎惟寅(俗称小吉,号夢酔,勝海舟父親)。1843年(天保14)の自序がある。幕末の下級幕臣の生態が活写されていておもしろいが,本人および海舟生前は刊行されなかった。雑誌《旧幕府》連載で世に紹介され,改造社版《海舟全集》第9巻に収録されたが誤読が多く,その後の刊本も同じ誤りを踏襲している。自筆本は戸川氏蔵。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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