大上村(読み)おおがみむら

日本歴史地名大系 「大上村」の解説

大上村
おおがみむら

[現在地名]睦沢町大上

上之郷かみのごう村の南西に位置し、埴生はぶ川支流瑞沢みずさわ川が流れる。夷隅いすみ郡に属した。応永二四年(一四一七)閏五月二四日の鎌倉公方足利持氏御教書および鎌倉公方足利持氏書状(ともに上杉文書)千町ちまち庄大上郷とみえ、二階堂右京亮の旧領であり、持氏はこれを母一色氏の御料所としている。中山法華経寺蔵の長享三年(一四八九)の鰐口銘に「上総国千町庄大上郷妙(楽カ)寺大日堂」とみえる。地内にいかり(碇谷城とも)とよぶ城跡がある。須賀谷すがや(現夷隅町)方面に向かう日の子ひのこ坂は天正期(一五七三―九二)万喜まんぎ(現同上)城主土岐氏と庁南ちようなん城主武田氏が戦った地という。

文禄三年(一五九四)の上総国村高帳に村名がみえ、高一千五〇二石。


大上村
おおがみむら

[現在地名]篠山市大上

和田わだ村の北東にあり、はた川が流れる。地内の大上西おおがみにしやま城は大淵おおぶち館の東三〇メートルの小尾根突端に位置し、北西の尾根続きの頂にも武路むろ城跡がある。まとまった曲輪が主郭のみという典型的な単郭山城で、主郭の規模は東西一五メートル・南北四〇メートル。西の側壁には竪堀が六本連続する畝状空堀群が築かれており、一六世紀中葉の改修が確認できる。また主郭北面と南面に堀切を設け、尾根線を遮断している。小規模ながらまとまりのある城郭遺構である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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