大住郡(読み)おおすみぐん

日本歴史地名大系 「大住郡」の解説

大住郡
おおすみぐん

和名抄」の相模国八郡の一つで、「於保須美国府」の注記がある。相模国の中央に位置し、郡域は現伊勢原市秦野はだの市・平塚市一帯。高山寺本によれば中島なかじま高来たかく川相かわい片岡かたおか方見かたみ和太わた日田ひひた大服おおはとりくしはし渭辺ぬまべ石田いしだ(東急本は石見とするが誤り)大上おおかみ前取さきとり三宅みやけの一四郷があり、東急本はこれらに駅家うまや郷と余戸あまるべ郷を加える。郡衙は三宅郷にあったと推測される。天平七年(七三五)閏一一月一〇日の相模国封戸租交易帳(正倉院文書)に、右大臣藤原武智麻呂の食封として大住郡仲嶋郷、従四位下三嶋王の食封として大住郡埼取郷がみえる。また平城宮跡から「大住郡」の字の残る天平宝字八年(七六四)木簡などが出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報