平塚市（読み）ヒラツカシ

デジタル大辞泉

ひらつか‐し【平塚市】

⇒平塚

出典　小学館

日本歴史地名大系

平塚市
ひらつかし

面積：六七・八八平方キロ

県のほぼ中央にあり、東を相模川が流れ、南は相模湾に臨む。東は相模川を隔てて茅（ち）ヶ崎（さき）市・高座（こうざ）郡寒川（さむかわ）町、北は厚木市・伊勢原市、西は秦野（はだの）市・足柄上（あしがらかみ）郡中井（なかい）町・中郡大磯町・二宮町に接する。市域東部は相模川中・下流域の右岸部の沖積平野、北部は相模川右岸の沖積地と伊勢原台地の南端、西部は北金目（きたかなめ）台地東端部と、その南を流れる金目川を隔てた大磯丘陵部とに分けられる。西を金目川が北金目台地と大磯丘陵を分ける形で西から東へ流れ、沖積地に流入後流れを南に変えて渋田（しぶた）川を合流し相模湾に注ぐ。鈴（すず）川は大根（おおね）台地と伊勢原台地との間の沖積地のほぼ中央を南流し、板戸（いたど）川・大根川と合流して伊勢原台地南縁辺に沿って東流し、台地東南端部より再び南流して渋田川に合流し金目川に流入する。渋田川は北部の沖積地のほぼ中央を南流し鈴川を合流する。相模川の下流域右岸から西方鈴川に至る地域は南の海岸線より北へ向かって砂洲・砂丘が一二列連なる微高地で、この一部と北部伊勢原台地上、および西部の北金目台地上、大磯丘陵上に畑地が展開する。また、これらの台地・丘陵・砂丘に囲まれた中央部沖積地は、金目川と支流の鈴川・渋田川が流れる水田耕作地となっている。市街地の大部分は砂洲・砂丘上に位置し、この市街地の北部と一部相模川右岸の低地に工業地域が広がる。市街地を除く集落は、各台地・丘陵の縁辺部か沖積地を流れる各河川の自然堤防上に位置する。

平塚の名は、「吾妻鏡」建久三年（一一九二）八月九日条に「範隆寺平塚」「黒部宮平塚」とあるのを初見とする。

〔原始・古代〕

縄文時代の遺跡は、伊勢原台地・北金目台地・大磯丘陵上に分布する。大磯丘陵の北東端の金目川右岸に近接する舌状台地上にある五領（ごりよう）ヶ台（だい）貝塚は、縄文中期初頭の標式土器である五領ヶ台式土器を出土。また大磯丘陵高麗（こま）山の北部山麓にある万田（まんだ）貝塚は縄文前―後期の土器や遺物を出土する。県内相模川右岸地域にある貝塚はこれら二つだけである。台地上の遺跡には弥生・古墳各時代の複合遺跡が多く、伊勢原台地南西端にある上（かみ）ノ入（いり）遺跡では弥生時代後期中葉から終末期の住居跡群を検出する。北金目台地上に塚越（つかごし）古墳が、さらに砂洲・砂丘上に真土大塚山（しんどおおつかやま）古墳がある。両古墳とも前方後円墳で真土大塚山古墳は四世紀後半、塚越古墳は六世紀初頭の築造とされる。このほか七―八世紀頃の築造の根坂間（ねざかま）横穴群・万田熊（まんだくま）ノ台（だい）横穴群が大磯丘陵東側および北側高麗山麓にある。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

平塚〔市〕
ひらつか

神奈川県南部，相模平野の南部にある市。相模湾にのぞみ，東縁を相模川 (馬入川) ，西部を金目川 (花水川) が流れる。 1932年市制。 54年に旭村，55年大野町と神田，城島，金田，土沢の4村，岡崎村の一部，57年金目村をそれぞれ編入。地名は中世この地に埋葬された皇族の塚の上面が平坦であったことにちなむといわれる。早くから開け，条里制の遺構が広くみられる。中心市街地は南部にあり，江戸時代には東海道の宿場町として発達，須賀は漁港と相模川舟運の河港を兼ねた。第2次世界大戦前から海軍火薬廠，航空機工場などが立地しており，戦後は相模川沿いに工業団地も造成されて，自動車，タイヤ，機械，電気機器，化学などの工業が発達し，湘南工業地域の要地となっている。商業都市としての性格も強く，相模平野に広く商圏をもつ。北部は農村地域で，沖積地には水田が開け，特産のサツマイモに加え，近年では施設野菜，花卉の栽培も行われる。七夕祭は大規模で県内外から見物客が訪れる。史跡五領ヶ台貝塚がある。横浜，東京方面への通勤者を中心に人口が急増している。 JR東海道本線が通り，国道1号線，129号線，134号線，小田原厚木道路 (国道 271号線) のインターチェンジがある。面積 67.82km²（境界未定）。人口 25万8422（2020）。

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