大割(読み)おおわり

精選版 日本国語大辞典 「大割」の意味・読み・例文・類語

おお‐わり おほ‥【大割】

〘名〙
物事のだいたいのところ。概略
仮名草子清水物語(1638)上「四つの字を何事にもあてて見れば、分別の大わりはさだまるなり」
② 木、特に香木などを大きめに割る、ぜいたくなやり方をすること。また、大きく割った木。
※浮世草子・椀久二世(1691)上「初瀬などいへる名の木を大割(オホワリ)にして焼(たき)かけぬれば」
江戸時代諸藩が土木工事その他の公共事業に要した経費の賦課方法で、郡に割り当てるもの。⇔小割
※郡中割元帳‐享保六年(1721)(美濃加納藩)「川々御普請入用八拾四両壱分銀七匁五分大割為致」

お‐わり【大割】

〘名〙 割木の特に大きなもの。餠つきのときなど、蒸し物に湯気を大いにあげるときに使う。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大割の言及

【木挽】より

…のこぎりの改良にともなって盛んとなったのであるが,製材所の機械のこぎりの普及とともに衰微した。それでも大割(おおわり)といって,大木を山から搬出できるようにひき割るのが,なお,木挽仕事として残っている。のこぎりは目立(めたて)がもっとも肝心で,その巧拙で切れ味が定まるので,それにいちばん努力を集中した。…

※「大割」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android