大学事典 「大学設置基準の大綱化」の解説
大学設置基準の大綱化
だいがくせっちきじゅんのたいこうか
1991年(平成3)7月に施行された大学設置基準(日本)の大幅な改正を指し,社会や国民のニーズに迅速に対応可能となるよう大学制度を弾力化・柔軟化するとともに,各大学の自主的な取組みを尊重することによって大学制度全体の変革を促すことを目的とするとされた。これによって,一般教育科目,専門科目といった開設授業科目の区分ならびに科目区分ごとの必修単位数が撤廃されたほか,必要専任教員数を科目区分ごとに算出する方式から,収容定員の規模に応じた総数のみを算定する方式に変更したこと,授業の方法(講義・演習・実習など)別に一律に定められていた単位の計算方法を各大学の判断により弾力的に設定可能としたことなど,いわゆる「大綱化」によって教育課程の編成等に関する大学の自主性が大幅に認められるようになった。また大学設置基準の大綱化に伴い,大学の新増設にかかる設置審査についても学部・学科レベルでの詳細な基準から総則化された一般的な審査基準へと統合することにより,以降の多種多様な学部設置のきっかけとなったともいえる。
著者: 濱中義隆
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報