大庭関跡(読み)おおばのせきあと

日本歴史地名大系 「大庭関跡」の解説

大庭関跡
おおばのせきあと

淀川南岸の大庭庄内あるいはその付近に置かれていた淀川舟運の関。淀川の上流域には鎌倉時代から多数関が設けられ、西国筋より山城淀・鳥羽に向かう舟運に課税していたが、河内では三屋みつや関・楠葉くずは率分所(現枚方市)、大庭関などが史料にみえている。大庭関は南北朝期中頃は南朝が支配しており、観心かんしん(現河内長野市)が管掌していた。正平一七年(一三六二)四月日の観心寺寺僧等申状案(観心寺文書)は諸関の停廃という幕府の方針に対し、大庭関を建て置くことを請うたものであるが、そこには「当開者、為当寺修造常灯以下御興隆料足、就被寄置当寺、被成下国宣施行畢」とみえ、修造常灯以下の用途として観心寺に寄進されたものであることが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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