大海寺野（読み）だいかいじの

日本歴史地名大系

大海寺野
だいかいじの

• 富山県：魚津市
• 大海寺野

片貝（かたかい）川左岸に開けた台地。付近一帯は野方（のかた）とよばれ、のち野方は上野方と下野方に分れるが、大海寺野は上野方に属し、その北方に位置した。加賀藩は大海寺野・天神（てんじん）野、舟見（ふなみ）野（現入善町）の新開に乗出し、明暦二年（一六五六）それぞれに作食米・肥料代を下付している。大海寺野では六〇〇石の土地を開くことになっており、作食米六〇石・肥料代七石の交付があった（「島尻村刑部旧記」東京都伊藤家文書）。この開発により、寛文一〇年（一六七〇）の大海寺野村は草高八〇〇石・免一ツ五歩、大海寺野新村は草高一八石・免二ツ五歩となっている（三箇国高物成帳）。同一三年加賀藩主前田綱紀は市橋武左衛門・栗田甚太を大海寺野の新開奉行として派遣し、延宝元年（一六七三）大海寺野村で七九九石余の畑直高、大海寺新村で六八一石余の新開高があった。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」