大溝村(読み)おおみぞむら

日本歴史地名大系 「大溝村」の解説

大溝村
おおみぞむら

[現在地名]松前町大溝

現松前町中南部の農耕地帯。伊予市域に近く、南に東西に流れる大谷おおたに川を隔てて横田よこた村がある。慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)の伊予郡の項に「高八百石 大溝村」があるが、これはのちの横田村をさすものである。元禄一三年(一七〇〇)の領分附伊予国村浦記の伊予郡に「高八百石 横田村右は大溝村と申候」とあるので、この間に横田村と村名を改めたと思われる。後世に続く大溝村は慶安元年伊予国知行高郷村数帳では伊予郡の項に「黒田大溝村」と出ている。村高四五二石六斗五升三合、うち田四三二石三斗四升三合、畠二〇石三斗一升。江戸時代を通じ松山藩領。

この長尾谷ながおだに川の流路に沿う一帯重信しげのぶ川の旧河道で、流出土砂の堆積で河床が上昇していわゆる天井川をなしたため、戦国末期頃に流路を転じた跡と思われ、大溝の地名も凹地状をなした地形に付けられたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android