ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大蔵弥太郎」の意味・わかりやすい解説
大蔵弥太郎
おおくらやたろう
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…江戸初期の大蔵流の狂言役者。事実上の大蔵流流祖大蔵虎政の後嗣虎清と,鼓の名人幸正能の女との間に嫡男として生まれた。幼名熊蔵(熊)。通名弥太郎,後に弥右衛門。諱(いみな)は初め虎時。法名心叟道徹居士。5歳のころより父に師事。6歳で奈良の春日若宮御祭(おんまつり)の後日能で初舞台を踏み,興福寺衆徒中より,名人や幼少の役者に与えられる名誉号である大夫号を贈られたという。以後の幼年期の活動記録は少なく,1605年(慶長10)高台院(豊臣秀吉正室ねね)大坂御成り能での父との共演が知られる程度である。…
…その後大蔵虎明(とらあきら)・栄虎と継ぎ,縁虎の代に江戸へ移住,虎純・虎教・虎里・虎寛・虎文・虎武と継ぎ,明治時代になって虎年が奈良へ戻り,虎一が継いだが中絶した。芸統は弟子家によって支えられ,1941年に茂山(しげやま)弥五郎(後の善竹(ぜんちく)弥五郎)の次男吉次郎が24世宗家となり,大蔵弥太郎(1912‐ )と改めて今日に至っている。江戸時代に多くの分家を生じ,八右衛門家のほか,虎清の弟虎重が弥惣右衛門(やそうえもん)家,栄虎の弟武則が長太夫(ちようだゆう)家,虎教の弟虎輔が弥太夫(やだゆう)家を興した。…
※「大蔵弥太郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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