大郷郷(読み)おおさとごう

日本歴史地名大系 「大郷郷」の解説

大郷郷
おおさとごう

旧知多郡の熱田社領。訓および現在地は明らかでないが、現東海市荒尾あらお町辺りに比定される荒尾郷とは数町を隔つといわれており、同じく東海市辺りとの推定が成立つ。「おおさと」の訓を採るならば、知多郡大里おおさと(現大田町)がその遺称といえようか。初見は正安元年(一二九九)八月の熱田社領大郷百姓等陳状(猿投神社本「本朝文粋」巻二紙背文書)で、荒尾あらお郷村人らが観音冠者殺害の事につき大郷百姓らを訴えたのに対し、大郷百姓らはこの陳状をもって「無道濫訴」であると反論している。正安二年分の大郷早田検見注進状案(同文書)によれば、合わせて三三町八反二七〇歩のうち除田が八町一反大、定田が二五町七反三〇歩であり、うち一三町一反半が早田であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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