大館郷(読み)おおたちごう

日本歴史地名大系 「大館郷」の解説

大館郷
おおたちごう

新田庄内の郷。室町時代には大館郷四ヵ村と称され、出塚いでづか村・河原郷などが属した。仁安三年(一一六八)に新田氏の祖義重が庶子らいわう(義季)の母に譲った空閑の中に「おゝたち」「いてつか」がみえ(同年六月二〇日「新田義重置文」長楽寺文書)、のちに新田本宗家に移ったらしく、新田政義の子家氏が大館家を興した。新田義貞挙兵没落の後も、大館義氏が足利氏に属して幕府奉公衆・御供衆となったため、大館郷は在京中の大館氏に相伝された。観応三年(一三五二)六月一八日には、尼了観が大館郷内出塚村半分北方の所当一八貫文の地を世良田長楽せらだちようらく寺へ寄進しており(年月日未詳「長楽寺寺領目録案」長楽寺文書など)、一五世紀半ばの年月日未詳新田庄内岩松方庶子方寺領等注文(正木文書)等によると、大館郷四ヵ村と一井いちのい郷四ヵ村(現新田町)は京都祗候の大館教氏知行分となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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