室町幕府の職名。将軍に近侍し,御成(おなり)の御供や饗応の陪膳などに侍した。起源について《貞丈雑記》には1334年(建武1)足利尊氏の上洛に供奉した人々とその子孫を御供衆に補したとしている。しかし,御供衆の存在が明確になるのは6代将軍義教期以降である。御供衆は幕府機構の中の職名であると同時に,特定の家に与えられた格式でもあった。節日や諸行事における将軍との対面の順序は,相伴衆,国持衆,外様衆に次ぐものであり,また毛氈鞍覆,白傘袋,錦の半袴,冠木門の使用などを許されていた。家柄は固定しており,細川,畠山,一色,山名,富樫,武田氏ら有力守護大名の一族や伊勢,大館,上野,三上,中条らの諸氏が補され,2番に分かれて任についた。しかし明応年間(1492-1501)以降戦国期に入るとともに,こうした制も乱れ,朝倉孝景,松永久秀のような新興大名に対しても,御供衆の家格を一種の名誉的称号のように授与することが行われた。
執筆者:二木 謙一
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