天保組(読み)てんぽうぐみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天保組」の意味・わかりやすい解説

天保組
てんぽうぐみ

箏曲の分類名称。江戸時代末期の天保 (1830~44) の頃,光崎検校が箏曲復古運動を唱えて作曲した新形式の箏の組歌。実際には『秋風の曲』1曲。天保8 (37) 年に『箏曲秘譜』としてその楽譜が出版され,その序の筆者高向山人の作詞か。『長恨歌』を題材にし,「秋風調子」 (ミ・み・ら・し・ド・ミ・♯ファ・ラ・シ・ド・ミ・♯ファ・ラ) という特殊な調弦によっている。前弾は『六段の調』と拍節数が一致し,両曲の合奏が可能。なお,光崎作曲の『五段砧』も,組歌の「付物」の器楽曲的なものと考えれば,広義の天保組に入る。天保組の復古精神は,のちの吉沢検校の「古今組」に受継がれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 秋風

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む