天照皇太神宮(読み)てんしようこうたいじんぐう

日本歴史地名大系 「天照皇太神宮」の解説

天照皇太神宮
てんしようこうたいじんぐう

[現在地名]久山町猪野

猪野いの川の北岸に鎮座する。古くは伊野いの太神宮とも称した(続風土記附録)祭神は天照大神、旧村社。創建年代は不明であるが、社伝によると室町時代末期に祀られたという。天正一四年(一五八六)立花たちばな(現新宮町)攻略に当たった島津軍によって、神体は豊後国柞原ゆすはら八幡宮(現大分市)に運び込まれたが、大神の託宣に従い兵庫大夫の手によって再び当地に迎え入れられた(太宰管内志)。当社には柞原八幡宮からの遷移の際に神体を守護したと伝える神鉾が伝来していたが、嘉永三年(一八五〇)六月に流失した。現在はその複製品が伝えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報