日本歴史地名大系 「天石立神社」の解説 天石立神社あめのいわたてじんじや 奈良県:奈良市柳生・田原地区柳生村天石立神社[現在地名]奈良市柳生町戸岩谷(といわだに)にある。社殿はなく巨岩を神体とする。「延喜式」神名帳の添上(そえかみ)郡「天乃石立神社」に比定され、俗に戸磐(といわ)明神とも戸岩さんともよばれる。旧村社。花崗岩の巨石が三塊あり、中央の御神体石は幅約七・三メートル、高さ約六メートル、厚さ約一・二メートルの板状岩で、手力雄(たぢからお)命が天岩戸を開いた時、扉石がここへ落ち、神戸(かんべ)岩というようになったという伝説がある(元要記)。「玉栄拾遺」によると、神体石の祭神は豊磐間戸(とよいわまど)命、前方の伏岩は天磐戸別(あめのいわとわけ)命、後方の立岩は櫛磐間戸(くしいわまど)命とされる。「元要記」は中伊勢大神宮、左春日大明神、右手力雄明神とする。当社は柳生藩主柳生家の修行場であったといわれ、同家の崇敬も厚かった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by