朝日日本歴史人物事典 「太巌祖仙」の解説
太巌祖仙
生年:享保16(1731)
江戸中期の曹洞宗の尼。美濃垂井(岐阜県不破郡)生まれ。俗姓は日比。幼いときから出家を志し,父母の反対にあうが,9歳のとき,美濃弁天庵の恵心のもとに学び,のち香積寺の鉄額陝牛に就いて得度する。諸国を行脚して修行に励み,のちに鉄文道樹に法を嗣ぐ。また,臨済宗の白隠慧鶴にも参じ,その行いは大いに称賛されている。弁天庵に戻り,座禅に励み,托鉢を行じ,清貧を守り,多くの尼を指導した一途な生涯であった。<参考文献>曹洞宗尼僧史編纂会編『曹洞宗尼僧史』,円通桃嶺『太巌祖仙尼公伝』
(熊本英人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報