香積寺(読み)こうしやくじ

日本歴史地名大系 「香積寺」の解説

香積寺
こうしやくじ

[現在地名]重信町田窪 海稲

横河原線の田窪駅の西方約一〇〇メートルにある。瑠璃山と号し、高野山真言宗。「隻手かたで薬師」として知られる薬師如来本尊とし、霊験あらたかとして祭日の旧暦三月一二日、八月一二日は参拝者で賑う。

寺伝によれば大同四年(八〇九)弘法大師の創建で、仁寿元年(八五一)郷人井門某が薬師像を奉納、岩伽羅いわがら城主和田通勝の帰依により繁栄したという。


香積寺
こうじやくじ

[現在地名]柏崎市西本町三丁目

しま町の南、川の右岸にある。曹洞宗、飯涌山と号し、本尊聖観世音菩薩。もと龍谷りゆうこく(現石川県金沢市)末。寺伝によると、建長年間(一二四九―五六)に柏崎権頭勝長の開基という。もとは剣野けんのにあったという。剣野村の天和三年(一六八三)検地帳(三島神社文書)には地字香積寺沢の地名が残り、同村内の地字たいこめんに七石八斗余の除地を有する。


香積寺
こうじやくじ

[現在地名]足助町足助 飯盛

飯盛山と号し、曹洞宗。本尊観音像。応永三四年(一四二七)飯盛山城主足助氏の居館跡へ創建されたもので、飯盛いいもり山南側の麓近い山腹にある。庫裏・僧坊・禅堂など、曹洞宗雲水の修行道場としての体裁を整えている。

寺伝によると、開基は関白二条良基とその子成瀬三吉丸。開山は白峰祥瑞。祥瑞は千鳥ちどり(現豊田市)千鳥せんちよう寺を、師の金竜を迎えて創建した天仲良曇の兄弟弟子あるいは弟子とも伝える。


香積寺
こうしやくじ

[現在地名]水戸市渡里町

上市うわいち台地を北へ下った低地に位置し、北を那珂川が流れ、周辺部に畑地が広がる。大満山明鐘院香積禅寺と号し、臨済宗南禅寺派。本尊は釈迦牟尼仏

「水戸市史」に文和元年(一三五二)渓翁禅師の開山とあり、「東茨城郡誌」には貞和元年(一三四五)の創立とある。当初は古内ふるうち(現東茨城郡常北町)清音せいおん寺の末寺であった。永禄―元亀年中(一五五八―七三)領主江戸但馬守忠通の外護を受けたが、のち兵火のため炎上し荒廃した。


香積寺
こうじやくじ

[現在地名]三原市本町

宗光寺そうこうじ山西麓にあり、初め鳳生山、のち桂谷山と号し、曹洞宗。本尊釈迦牟尼仏。「三原志稿」によると、明応三年(一四九四)豊田郡真良しんら村に小早川扶平が建立。大永五年(一五二五)興平の菩提寺となる。文禄二年(一五九三)現在地に移るとき、本尊十一面観音が動かなかったのでそのまま安置し、寺のみを移したと伝え、真良に残した寺も香積寺と称する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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