朝日日本歴史人物事典 「太田時連」の解説
太田時連
生年:文永6(1269)
鎌倉末・南北朝期の幕府官僚。本姓三善。康有の子。弘安6(1283)年,父康有籠居を受けて鎌倉幕府問注所執事となる。同8年,霜月騒動に関与して罷免されたが,翌年引付衆として幕政に復帰,永仁1(1293)年には問注所執事に還補された。以後評定衆,引付頭人などを歴任し,嘉暦1(1326)年出家して道大と称したが,延元1(1336)年,室町幕府開幕に当たり,再び召し出されて問注所執事となった。執務上の記録として『永仁三年記』があるほか,『建武記』も時連の著作とする説もある。<参考文献>竜粛『鎌倉時代』上,森茂暁『南北朝期公武交渉史の研究』
(新田一郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報