奚岡(読み)けいこう(その他表記)Xī Gāng

改訂新版 世界大百科事典 「奚岡」の意味・わかりやすい解説

奚岡 (けいこう)
Xī Gāng
生没年:1746-1803

中国,清朝中期の文人画家。字は純章,号は銕生(てつせい),蒙泉外史,鶴渚生(かくちよせい)など。原籍安徽省新安。孝廉方正に挙げられたが辞して生涯在野の一布衣(ほい)に終わった。〈李流芳をひどく好み,寝食を忘れて臨模した〉とみずから語るように,モニュメンタルな大画面を作る当時の正統派画壇主流にはなく,もっぱら倪瓚(げいさん)と呉派を折衷させたおだやかで瀟洒な山水画を制作した。墨竹にも秀作が多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奚岡」の意味・わかりやすい解説

奚岡
けいこう
Xi-Gang

[生]乾隆11(1746).浙江杭州
[没]嘉慶8(1803).10.24.
中国,清中期の文人画家。籍は安徽省新安。字は純章,号は鉄生,別号は蒙泉外史,散木生など。詩,書,画,篆刻に巧みでことに山水画を得意とし,虞山派婁東派の弊を離れ,独自の繊細な画風をつくり上げた。篆刻においても新風創始者の一人。

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