奥深(読み)おくふかい

精選版 日本国語大辞典 「奥深」の意味・読み・例文・類語

おく‐ふか・い【奥深】

〘形口〙 おくふか・し 〘形ク〙 (「おくぶかい」とも)
① 奥のほうへ深く引っ込んでいる。奥まっている。奥まった所にいる。ずっと奥のほうまで続いている。⇔端近(はしぢか)い
源氏(1001‐14頃)賢木「おくぶかうもあらず、みな、仏に譲りきこえ給へる御座所(おましどころ)なれば」
意味が深くて、なかなかわかりにくい。また、深みがあり、奥床しい感じである。表面からだけではわからない思慮深いさまである。浅はかでない。
※枕(10C終)四九「みな人さのみ知りたるに、なほおくふかき心ざまを見知りたれば」
※源氏(1001‐14頃)横笛「おくふかき声なるに」
おくぶか‐げ
〘形動〙
おくぶか‐さ
〘名〙

おく‐ぶか【奥深】

〘形動〙 (「おくふか」とも。形容詞「おくふかい」の語幹から)
① 奥まっているさま。
※源氏(1001‐14頃)手習「あまり、もて離れ、おくふかなるけはひも」
② 深みのあるさま。奥床しいさま。中身が豊かなさま。
浮世草子傾城禁短気(1711)六「三枚袷着る程になくては、奥(オク)ぶかには見へず」

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