精選版 日本国語大辞典 「奴様」の意味・読み・例文・類語 やっこ‐さん【奴様】 ( 「さん」は接尾語 )[ 1 ] 〘 名詞 〙① 「やっこ（奴）[ 一 ]」を丁寧にいう語。また、親しみやおかしみを込めていうこともある。[初出の実例]「はてさて、そんな事に、いちゃつきのある奴(ヤッコ)さんぢゃァごんせぬ」(出典：歌舞伎・傾情吾嬬鑑（1788）五立)② 折紙細工の一つ。正方形の紙を折り畳んで、武家の奴僕である奴の形にしたもの。[ 2 ] 〘 代名詞詞 〙① 他称。同輩またはそれ以下の他人を、親しみや多少の軽蔑をこめて呼ぶ語。あいつ。[初出の実例]「袋に入れて渡してやったのを奴(ヤッコ)さん持って帰って来ました」(出典：落語・反魂香（1895）〈柳家禽語楼〉)② 対称。同輩以下の人に多少の親しみや侮蔑をこめて用いる。[初出の実例]「コウコウ小三(ヤッコ)さん、そんなに悪戯をしては不可ないぜ」(出典：人情本・清談松の調（1840‐41）二)[ 3 ] ( 奴さん ) ( 「奴さんどこへ行く」の歌い出しから ) 俗曲。二上がり。酒宴の席などで騒ぎ歌として広く用いられる。踊りの振りもある。願人坊主の踊り歌がのちに花柳界に取り上げられたものという。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
