thermophilic bacteria
蛋白質が変性される70℃あるいはそれ以上の温度でよく生育し,30℃以下ではほとんど生育しない微生物。中性・アルカリ性温泉の30~65℃くらいの高温では,ラン藻がしばしば優占する。70℃以上で最もよく増殖する好熱菌には,真正細菌であるThermus属やBacillus acidocaldarius(好酸性)のような細菌がある。アイスランドの硫気孔の表面では,好気的なSulfolobusや嫌気性のThermoprotealesなどが得られている。また100℃以上でも生存できる耐熱性の胞子をつくるものも多い。Pyrodictiumは105℃で最もよく生育でき,110℃でさえ生育可能である。近年,海底火山,深海底の熱水噴出孔周辺や地熱地帯から,90℃以上で生育可能な超好熱細菌が次々と発見されている。北緯21°の東太平洋海嶺のブラックスモーカー(350℃)周辺には,硫化水素を酸化してエネルギーを得る化学合成細菌が多数生息している。好熱菌に対して,生育最適温度が10℃以下で,20℃以上では生育できない種類を好冷菌という。
執筆者:田崎 和江
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
高温細菌ともいう.高温( > 55 ℃)を好んで生育する菌.耐熱性酵素の生産に利用されている.温泉に生息する高度好熱菌Thermus thermophilusは80 ℃ 以上の高温で生育する.遺伝子工学に欠かせない実験法となったPCRには,好熱菌由来の耐熱性のDNAポリメラーゼが使われる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…また細菌は温度に対する関係によって分けることもできる。20℃以下でよく生育するものを低温菌,55℃以上で発育するものを好熱菌(高温菌,耐熱菌ともいう),その中間の温度で発育するものを中温菌と呼ぶ。75℃以上でも生育できるものは高度好熱菌と呼ばれる。…
※「好熱菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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