普及版 字通 「娉」の読み・字形・画数・意味
娉
10画
[字訓] とう・めとる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(へい)。は祝して神意を求める意で、よく祭事にいそしむことをいう。〔説文〕十二下に「問ふなり」とあり、聘問(へいもん)する意とする。〔儀礼、聘礼〕に「小聘を問と曰ふ」の義に解するものである。娉は娉(へいてい)。しなよく立ち働いて神事につとめる意で、(敏)・捷がみな祭事にいそしむ婦人を示す字であるのと似ている。気に入りを便(べんぺい)といい、と声義が近い。妻を招き娶(めと)ることをいう。
[訓義]
1. とう、人をとう。
2. めとる、よばう、あわす。
3. 聘と通じ、めす、よぶ、まねく。
4. 娉、美しい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕娉 トツグ・ヨバフ・ヨバヒ・ムカフ・モトム・トフ・アハス・ヤトフ・ナカダチ・ウハナリ・ミナハカリス・メマグ 〔立〕娉 トツグ・トブラフ・トフ・ヨバフ・ナカダチ・ヲトコス・アハス・ウハナリ・メアハス・ヤトフ・ムカフ・モトム
[語系]
娉・聘phiengは同声。金文に・(へい)の字があり、輔佐する意に用いる。〔段注〕に「聘行はれて娉廢す」というが、・がその初文である。また聘も、列国期の金文にみえる字形である。娉は六朝末の碑銘にもみえている。
[熟語]
娉会▶・娉財▶・娉▶・娉内▶・娉納▶・娉幣▶・娉命▶・娉問▶
[下接語]
媒娉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報