婚姻居住方式(読み)こんいんきょじゅうほうしき(その他表記)marital residence rule

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「婚姻居住方式」の意味・わかりやすい解説

婚姻居住方式
こんいんきょじゅうほうしき
marital residence rule

夫婦の婚姻後の住居を定めるに際して行われる規制的な居住慣行。すべての社会は優先的な婚姻居住方式をもっており,それらの方式は一般に他の社会制度とも関連している。親族紐帯の強い伝統社会では,権利・義務地位や財産の継承出自を通して相続されるため,親族集団に対する義務が夫婦間の義務や権利に優先する傾向がある。一般に行われている方式には,妻が夫方に居を移す夫方居住婚,夫が妻方に居を移す妻方居住婚,夫婦が両者の親から離れて独立して居を構える新規居住婚,夫婦が両者の親族と交互に住む (歴史的には,両集団の条件によってどちらに住むかを決めるとも,夫方,妻方の双方の近くに住むとも解された) 両所居住婚 bilocal residence,夫の母方おじとともに住むおじ方居住婚妻問婚のように夫婦が同居しない分離居住婚 duolocal residence,最初は妻方に一定期間生活し,初生児誕生後などに夫方に移る妻方夫方居住婚 uxori-viri local residenceなどがある。この問題に関しては G.P.マードックが 250の民族について統計的に実地調査研究を行なった。

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