出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…古代の婚制を問題にする際検討対象となるのはIとIIであろう。まずIはそれ以前の妻問婚(生涯的通い婚)から婿取りによる妻方居住婚(以下高群のI・II期の婿取婚をこう呼ぶ)への移行期で,生涯的別居と通いを経た妻方居住婚の併存期であり,IIは通いが基本的に消滅し,婚姻開始直後からの婿取婚=妻方居住婚が行われる時期である。しかもIIの妻方居住婚は遺制としては複数の姉妹により,一般的形態としては1女により行われるのだが,後者の妻方居住婚は妻の両親との生涯的な同居を意味せず,何年か後には(1)親夫婦が娘夫婦に生家を譲り他に移る,(2)娘夫婦が娘の親の用意した新居に移る,(3)娘夫婦が夫の用意した新居に移るのいずれかの方法で究極的には2組の夫婦は分離するのであり,かつ1女を除く他の姉妹は最初から新居へ移る(独立居住婚)のである。…
…庶民社会においてもほぼ同様であり,その範囲は部落内が大部分で,いわゆる村内婚であった。毎日しごとを終え,食事を済ませてから妻の所に通うもので,聟入婚,妻問婚,招婿婚などと呼ばれている。何よりも労働力が貴重であった農・漁村においては,古来,その主たる担い手である若者の発言力は大きく,配偶者選択の際にも彼らの自主性は強かった。…
…夫妻が同居せず妻方の婚舎(こんしや)に夫が通うこと。妻訪いによる婚姻には,終生夫妻不同居で妻訪いをおこなうものと,婚姻初期に一時的に妻訪いをおこない,後に妻が夫方に引き移り同居するものとがある。かつて岐阜県白川村の大家族制において,長男以外の男子が生涯妻訪いを続けたという特殊例はあったが(1920年代に消滅),日本の現行民俗のほとんどは後者の一時的妻訪婚としての妻訪いで,伊豆諸島,志摩地方,瀬戸内海沿岸,九州西方離島,南西諸島の諸地域に広く存在した。…
※「妻問婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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