家庭医学館 「子どもの多発性神経炎」の解説
こどものたはつせいしんけいえん【子どもの多発性神経炎 Polyneuritis of the Child】
先行する病気(上気道感染症(じょうきどうかんせんしょう)のことが多い)があって2~3週間後に、全身の末梢神経(まっしょうしんけい)に障害がおこり、急に手足のまひがおこる病気です。
[症状]
立てない、歩けないなどが急におこってきますが、脊髄炎(せきずいえん)(「子どもの脊髄炎」)とはちがい膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)(排尿、排便の異常)はおこりません。
感覚の異常や血圧の異常などの症状がみられることもあります。
[検査と診断]
髄液(ずいえき)検査でたんぱく細胞解離(さいぼうかいり)(たんぱくが増えていて、細胞が増えていない現象)がみられる場合は、ギラン・バレー症候群(しょうこうぐん)といいます。このたんぱく細胞解離が最初はみられず、後から出現することもあります。
神経伝導速度の遅れがみられます。
[治療]
自然に治癒(ちゆ)することが多いのですが、血漿交換療法(けっしょうこうかんりょうほう)が行なわれることもあります。
副腎皮質(ふくじんひしつ)(ステロイド)ホルモンが使用されることもありますが、効果には賛否両論があります。
運動障害が残れば訓練を行ないます。