宇品港(読み)うじなこう

日本歴史地名大系 「宇品港」の解説

宇品港
うじなこう

[現在地名]南区宇品海岸一―三丁目

広島市東南部にある港で、明治二二年(一八八九)築港。日清戦争以降軍港として用いられた。

太田おおた川デルタに発達した広島には、上流から流入する土砂のため本格的な外港が発達しなかった。このため広島藩は慶応元年(一八六五)と明治二年の二度、江波えば(現中区)に築港を計画したが実現しなかった。その後明治一一年頃から当時困窮していた士族に対する授産策の一つとして、皆実みなみ新開沖の干拓および宇品築港を求める声があがり、同一三年、交通網の整備による産業育成政策の一環として宇品築港が計画された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宇品港の言及

【広島[市]】より

…広島県西部に位置する県庁所在地。1889年市制。人口110万8888(1995)は中国地方最大規模。1980年に全国10番目の政令指定都市となり,現在,中,東,南,西,安佐南,安佐北,安芸,佐伯の8区からなる。市域は中国山地を背に太田川中・下流域に広がり,南は瀬戸内海に面する。中心市街地は太田川三角州上にあり,市内を6本の川が分流し〈水の都〉といわれる。しかし反面,標高50m以下の土地は全市域の16.8%にすぎず,およそ4分の1は標高100m以上の丘陵地,山地であり,市街地拡大の阻害要因となっている。…

※「宇品港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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