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宇宙政策(米国の) べいこくのうちゅうせいさく/うちゅうせいさく (U.S.) space policy

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知恵蔵2015の解説

宇宙政策(米国の)

米国の宇宙開発は、1957年に旧ソ連に先を越されたスプートニク・ショックの直後、58年に創立されたNASA(米航空宇宙局)が中心となって進められている。これまで、旧ソ連との宇宙開発競争を軸にして、アポロ計画スカイラブ計画スペースシャトル計画を展開してきたが、現在はロシアも含めた国際宇宙ステーション計画を遂行中。財政状態の緊迫を迎えて、NASAは90年代からは、戦略の基礎として「より早く、より良く、より安く(Faster, Better, Cheaper)」というスローガン打ち出し、この方針に基づいて惑星探査のためのディスカバリー計画、宇宙・太陽系生命の起源を追究するオリジン計画、21世紀の新しい宇宙技術を開発するニューミレニアム計画などに取り組んでいる。NASAは、各分野にわたりバランスのとれた宇宙政策を展開しており、ポストシャトルの将来型宇宙輸送システムの開発などリスクを伴う課題はNASAが大きな負担を担い、すでに技術の確立した使い切りロケットは民間に移す方針を堅持してきている。コロンビア事故の影響を受けて、04年1月、ブッシュ大統領は新宇宙政策を発表した。ここ数年にわたってNASAが抱えてきた問題には、3つの要素が絡み合っていた。(1)現在のスペースシャトルの老朽化、(2)国際宇宙ステーション(ISS)の建設の遅れとその意義の問い直し、(3)次世代シャトルの開発の停滞である。04年1月15日に発表されたブッシュ米大統領の「新宇宙政策」は、(1)と(2)に早めに決着をつけ、(3)を新たな輸送機に置き換えることで、宇宙開発の沈滞ムードの吹き飛ばしを狙ったもの。まず、遅れているISSの完成に2010年というデッドラインを引いた。また、その完成と共にスペースシャトルを引退させ、それに代わる輸送機としては、CEVを提案している。また新たな目標として月への有人飛行月面基地建設、さらに火星への人間の進出を展望している。なお、米国の宇宙政策を特徴づけているのは、世界の「リーダーシップを握ること」である。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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