宇生賀村(読み)うぶがむら

日本歴史地名大系 「宇生賀村」の解説

宇生賀村
うぶがむら

[現在地名]阿武町大字宇生賀うぶか

現阿武町東南端に位置し、権現ごんげん(五九二メートル)西台にしだい(五七〇・六メートル)を境に南は高佐たかさ(現むつみ村)と接する。沼地である宇生賀盆地を除いて大部分が山地で、集落は北隣の福田ふくだ村に源を発する大井おおい川とその支流域に散在する。萩藩領で奥阿武宰判所属。

建武四年(一三三七)五月日付の虫追四郎左衛門尉政国申状案(益田家什書)に「生賀」とあり、石見国の南朝方三隅氏・高津氏らの軍が阿武郡に進撃し小川おがわ(現田万川町)関所を破り、弥富やどみ(現須佐町)、福田ともに焼き払ったとある。中世には宇生賀郷ともよばれ、大井八幡宮(現萩市)の文和元年(一三五二)八月一三日付の宮座文書「御祭礼諸郷鼓頭出仕座配本帳事」に右座の四番として「宇生加郷」と記される。「注進案」は

<資料は省略されています>

とし、天文五年(一五三六)以後宇生賀と称するようになったと述べる。

慶長一五年(一六一〇)検地帳は「宇生賀」と記し、総石高九〇八石余、うち田は七一町余で高七三〇石余、畠は四七町余で高一二二石余、百姓屋敷数一一八、小物成二石。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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