安久郷(読み)やすひさごう

日本歴史地名大系 「安久郷」の解説

安久郷
やすひさごう

大場だいば川右岸の現安久一帯に比定される中世の郷。建武元年(一三三四)の正脈塔院碑銘に「安久荘」とみえ、無学祖元を師と崇める足利直義より正脈しようみやく(現京都市北区真如寺)に寄進されたという。延元三年(一三三八)一月七日霊山りようぜん(現福島県霊山町・相馬市)より上洛する途中の北畠顕家は、安久郷を天下泰平・所願成就のため三嶋社(三嶋大社)に寄進している(「北畠顕家寄進状」三嶋大社文書)。応永二二年(一四一五)五月、上杉憲基は当郷に関する正脈院の要望を了解したことを告げている(五月六日「上杉憲基書状」安国寺文書)。寛正元年(一四六〇)七月六日、正脈院領の安久保などを布施貞基に与えるよう寺奉行飯尾之清が命じられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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