安部屋村(読み)あぶやむら

日本歴史地名大系 「安部屋村」の解説

安部屋村
あぶやむら

[現在地名]志賀町安部屋

まち村の西に続く浦方の村で、中央部から弁天べんてん(三味線島)が日本海に突出する。北前船の寄港地として栄えた。弘治二年(一五五六)大島おおしま宮本殿修造棟札(意冨志麻神社蔵)に「権大工安部屋新右衛門奉加五拾疋」とあり、同棟札の追銘によると、永禄八年(一五六五)の同社作事に「安部屋新ママ徳右衛門」が奉加を行っている。天正四年(一五七六)四月二七日、安部屋山王社(現日吉神社)の遷宮が行われ、法会に色衆一二口が参勤している(永光寺年代記)。同五年一一月二四日の桜井基盛知行目録(気多大宮司家文書)によると、気多社の権大宮司役である六月晦日神事に「あふや村」が海川上分料として一貫文を負担していた。

土方雄久知行目録に村名がみえ、慶長一一年(一六〇六)から土方領、高三二四俵余、百姓取分三割。貞享元年(一六八四)幕府領となり、元禄二年(一六八九)から鳥居忠英領、同一一年再び幕府領となり、享保七年(一七二二)加賀藩預地となって天明六年(一七八六)から加賀藩領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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