安里ノ寺
あさとうのてら
[現在地名]中城村安里
安里の海岸部にある拝所。「琉球国由来記」では神社で安里ノ寺と俗称すると記され、神名は「笑キヨ・押明ガナシ・イベツカサ・寄キヨラ」となっている。同書や「遺老説伝」によれば、その由来譚の大意は以下のとおりである。持病をもつ屋宜村の百姓が漁に出たが、突然の大風に遭い、安里村の湊に避難して仮眠をとっていた。そこでみた夢では、土中から霊石が一つ出てきて権現を名乗り、掘出して崇拝すれば病気を治し種々の願いも叶えると告げた。夢から覚めると、確かに霊石らしきものがあったので、占いをした後で掘出してみると霊石は三つあり、それぞれを笑キヨ・押明ガナシ・イベツカサとして祀った。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 