官製春闘(読み)カンセイシュントウ

デジタル大辞泉 「官製春闘」の意味・読み・例文・類語

かんせい‐しゅんとう〔クワンセイ‐〕【官製春闘】

春闘労使間交渉に政府が介入することを揶揄やゆしていう語。
[補説]平成25年(2013)、政府が政労使会議を開き、経済界賃金の引き上げを要請。これを反映する形で高水準のベースアップが行われたことから、マスコミ等で用いられるようになった。

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共同通信ニュース用語解説 「官製春闘」の解説

官製春闘

毎年春に民間企業の労使が行う賃金交渉で、政府の意向が強く働くこと。デフレ脱却を掲げた安倍政権が、経済情勢に応じた相場観を示して経済界に賃上げを迫ってきたことから生まれた言葉だ。新型コロナウイルス禍に直面するまでは、政権の要請に好業績企業が呼応し、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に踏み切る例もあった。

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知恵蔵mini 「官製春闘」の解説

官製春闘

労働組合が毎年展開する日本最大の労働運動「春闘(春季生活闘争)」において、政府が経営側に賃上げを要請する強い動きがあるもののこと。2013年9月20日、首相官邸主催により、政府・経済界・労働界の合意形成を図る「経済の好循環実現に向けた政労使会議(政労使会議)」の第1回が開催され、また総理を始めとし政府が経済界に賃上げを幾度となく要請した結果、14年の春闘で中小企業を含めた企業の賃上げ率が15年ぶりに2%を超え(2.07%)、大幅なベースアップに踏み切る企業も相次いだ。本来労使間の労働運動である春闘に政府が介入したことから、この14年の春闘が「官製春闘」と呼ばれるようになった。以降も政労使会議が16年4月までに計10回行われるなど政府の要請などが続き、15年、16年の春闘も官製春闘と呼ばれた。

(2016-3-22)

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