ベースアップ(読み)べーすあっぷ

共同通信ニュース用語解説 「ベースアップ」の解説

ベースアップ(ベア)

企業従業員基本給水準を一律に引き上げる賃上げ手法年齢や勤続年数に応じ賃金を上げる定期昇給とは異なる。基本給は業績に左右されにくく、水準が上がれば従業員の生活安定につながる。一方、企業には恒久的な負担増となる。春闘の主要な争点とされる。連合による直近の中間集計によると、今春闘でのベアと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は5・20%。最終集計でも5%台なら、1991年以来33年ぶりの高水準となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベースアップ」の意味・わかりやすい解説

ベース・アップ
べーすあっぷ

従業員全体の平均賃金水準を引き上げること。略してベアともいう。第二次世界大戦後の日本ではインフレが進行したが、企業はベース・アップを行うことで、従業員の賃金を調整してきた。定期昇給とともに日本企業の賃金制度の根幹をなしてきたが、バブル経済崩壊後の1990年代なかばから、労働生産性の伸びが停滞したことや、成果主義賃金を採用する企業が増加したことなどにより、ベース・アップを廃止したり見直したりする企業が増えている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベースアップ」の意味・わかりやすい解説

ベースアップ
increase in base pay

賃上げのうち定期昇給ではなく,従業員全体の平均賃金水準を引き上げることによる賃金上昇。年功賃金カーブにおいて,カーブ全体が元の形を変えないで上方にシフトすることを意味する。定期昇給の場合には,賃金の上昇率は個人によって差があるが,ベースアップの場合,個人の業績などによる上昇格差はない。ベースアップは経済成長・景気動向・物価水準動向・企業の業績など非個人的理由により決められる。不況業種などでは,ベースアップなしで定期昇給のみの賃金引き上げも見られる。

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