宙(漢字)

普及版 字通 「宙(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音] チュウ(チウ)
[字訓] そら

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 形声
声符は由(ゆう)。由に抽・(ちゆう)の声がある。〔説文〕七下に「舟輿(しうよ)の極(いた)り(おほ)ふなり」とあり、地を覆うというほどの意である。〔淮南子、斉俗訓〕に「古來今、之れを宙と謂ひ、四方上下、之れを宇と謂ふ」とあって、宙を時間、宇を空間の意とするが、字はともに建物の象である宀(べん)に従う。〔淮南子、覧冥訓〕の 〔高誘注〕に、宇を家の簷(のき)、宙を棟梁の意としており、それが字の初義であろう。由は〔説文〕にみえず、字源を確かめがたいが、おそらく(ゆう)がその初文。(ひさご)などが熟して、その果肉が融解し、外殻のみを存する形で、その液を油といい、その外郭とする。またのように、外の全体を蓋(おお)うものを建物の上に及ぼして、宙と称するのであろう。

[訓義]
1. 家のむね、そら、あめ
2. とき、むかしといま。
3. ひろい、のびる。

[古辞書の訓]
名義抄〕宙 オホソラ・イニシヘ 〔立〕宙 イニシヘ・サル・ニシ・ヰル・オホソラ・イマウル 〔字鏡集〕宙 ハタス・イタル・ヰル・ワタス・イマ・イニシヘ・オホソラ

[語系]
宙・冑diuは同声。冑の金文は冑(ちゆうぼう)の下に目をあらわす象形字。外より覆う意の宙と同じく、頭を覆う武具をいう。

[熟語]
宙宇宙合宙然宙表
[下接語]
宇宙・窮宙・区宙・上宙・碧宙

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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